SND

超高エネルギーニュートリノ検出のための基礎研究


研究目的
岩塩ニュートリノ検出器は巨大天然岩塩を検出媒質として宇宙由来の超高エネルギーニュートリノ(UHEν)を検出することを目的としている。 UHEνと物質との相互作用断面積測定は加速器では得られない超高エネルギー領域での素粒子標準モデルの検証に適している。地球内部の通過物質量の増加にともなうUHEν数の減少を天頂角分布測定から標準モデルと比較することが出来る。

UHEνは活動銀河核(AGN)、ガンマ線バースト(GRB),トポロジカル欠陥(TD)等から発生すると理論的に予測されています。宇宙線は最高エネルギー1019eV以上が飛来している。このUHE宇宙線(陽子)が宇宙空間を充たす2.7Kの宇宙マイクロ波背景輻射(CMB)と衝突し、3-3共鳴を生成する。それがπ中間子に崩壊し、π中間子が更に崩壊し、UHEνを生成する。この過程はGZK効果と呼ばれ、生成したUHEνGZKνと呼ばれる。Δ3-3 共鳴の生成閾値エネルギーを越えるUHE陽子とCMBが存在することは明らかになっているので、GZKνが存在する可能性は高い。しかし予想されるGZKνの強度は大変低く1(km-2 day-1)、検出する為には巨大検出器を必要とする。巨大検出媒質を人工的に純化することは困難で、自然に存在するままで利用出来る検出媒質と検出方法が重要となる。巨大媒質での反応を捕らえるセンサーを疎に配置するにはニュートリノ反応位置からセンサーまでの伝播波の減衰長が長いものを利用しなければならない。

Neutrino flux and optimal detector

研究内容
  • 電波によるニュートリノ検出の基礎研究
    • 検出する電波は、弱い相互作用によりニュートリノが岩塩内につくる電磁シャワー中の過剰電子により発生する。
    • GRACE,Geant4等のシミュレーションソフトを用いニュートリノと岩塩との反応から過剰電子の電波発生の様子までを調べる。
  • 摂動空洞共振器による岩塩内の電波減衰長測定
    • 発生した電波の伝播距離が長いほどアンテナの間隔を長くすることが出来、巨大な検出器として適している。
    • 世界中にある岩塩の電波減衰を摂動空洞共振器を用いて調べる。


高崎量子応用研究所 1号加速器

学会発表タイトル

2012年日本物理学会 第67回年次大会(関西学院大)
  • 超高エネルギーニュートリノ検出器のための 電子ビーム照射による岩塩と氷からの
    電波反射強度測定
  • 超高エネルギーニュートリノ検出器のための電波反射測定における位相測定
  • 超高エネルギーニュートリノ検出のための岩塩鉱と南極氷床を利用したレーダー法
2012年日本物理学会 秋季大会(京都産業大)
  • 岩塩や氷中の超高エネルギーニュートリノシャワーからのレーダー電波反射
    シミュレーション
  • 超高エネルギーニュートリノ検出器のための電波反射測定法の構築
2013年日本物理学会 第68回年次大会(広島大)
  • 超高エネルギーニュートリノ岩塩および氷検出器のための電子ビームの照射による
    電波反射測定とシミュレーション
  • 超高エネルギーニュートリノの新しい測定法:
    岩石への熱あるいは光刺激による蛍光測定

共同研究者

連絡先

  • 〒192-0397
    東京都八王子市南大沢1-1
    8号館490室

    首都大学東京大学院
    理工学研究科 物理学専攻
    高エネルギー実験研究室

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