ATLAS
ATLAS実験は、欧州原子核研究機構(CERN)で行われている衝突型加速器実験であり、世界最高エネルギーで陽子と陽子を衝突させ、ヒッグス粒子の性質を調べたり、超対称性理論などの標準模型を超えた新しい物理法則の探索を行っています。
これまで重心系エネルギー13TeVで実験を行ってきましたが、現在重心系エネルギー14TeVでの実験にむけて準備を進めています。さらに、 2026年より高ルミノシティでの実験(HL-LHC)が計画されており、HL-LHCに向けた検出器の研究開発が行われています。
本研究室は、HL-LHCでの実験に用いられる予定の、ATLAS検出器最内層で飛跡検出を行うITk(Inner Tracker)の開発に参加しています。ITkは、ATLAS検出器中心部の衝突点で生じる膨大な量の荷電粒子の飛跡を捕えるために、ピクセル状の半導体検出器と信号読み出し回路が一体化されたモジュールを、衝突点を囲むように大量に配置する構造になっています。現在そのモジュールを量産する際の品質管理に関する R&D を進めています。